WEB3 + DLTがもたらす次世代のデジタル経済

インターオペラビリティにより完成するインターネット2・WEB3.0

筆者は、インターネット2を考える上で、重要なキーワードとして分散台帳・ブロックチェーンに注目しています。分散台帳・ブロックチェーンの歴史は、ビットコインシステムの誕生により本格的な幕を開けました。2009年1月3日に最初のブッロクが誕生して以来、現在までにビットコイン・BTCは暗号資産の基軸通貨、分散台帳システムとしての基盤レイヤーとして機能し、現在では価値の保存としても機能し、世界で11番目規模の通貨として存在しています。

またブロックチェーンシステムとしてのマルチレイヤーによる拡張により、通貨にとどまらないトークンエコノミーやデータ経済などの新しい経済圏の構築も始まっています。

BTCの他に多くの暗号資産・DLTプロジェクトが誕生し、淘汰を繰り返しながら、暗号通貨同士のネットワーク構築も始まっています。 このネットワークはインターオペラビリティという相互通信により、様々なネットワークの誕生と淘汰の中で、BTCを基盤レイヤーとしながら、より分散化されたネットワークが誕生すると予想できます。これがインターネット2だと考えています。

現在の世界の通貨事情はどうでしょうか?

USドルが世界の基軸通貨となっています。国際通貨はユーロ、ポンド、円などがあります。 しかし世界中の全ての人がこれに参加できる状況にはありません。各国がそれぞれの通貨で自国の経済圏やイデオロギーを維持しようとしつつ、通貨戦争などの摩擦も生じています。

それぞれの通貨がナショナリズムや文化、イデオロギーなどの立ち位置により、選択と競争と覇権争いが生じています。ここに個人が「選択の自由」という権利があれば、問題ありませんが、たまたま生まれた国と地域により利用できる通貨は決まっており、「選択の自由」は移住しない限り選択の余地はありません。

ビットコインシステムはインターネット2のベースレイヤーになる

ビットコインは特定の管理者がいない暗号通貨として登場し、すでに10年以上の歴史を持っています。ビットコインは、世界の誰もが、イデオロギーや国によらず、利用できる暗号通貨です。今後ビットコインシステムはそもそも通貨の、そして分散台帳システムのベースレイヤー的な存在として、デジタル時代を支えていく可能性を帯びながらその存在感を増していると考えられます。

しかし、一つのシステムに依存しすぎることは、破綻や停滞の可能性も大きくなります。

そこで解決策は、特定のイデオロギー、ナショナリズム、巨大企業としてのGAFAなどによるグローバリズムという選択肢を呑み込みながら、ビットコインシステムを拡張する様々なプロトコルが相互に繋がり、セキュリティを維持しながら、分散化されたネットワークが、多様な価値を保存し、利便性や価値を増幅させることだと考えています。 信用なしに信用を確保する。経済は信用なしでは成り立たないものです。特に持続性は重要なテーマです。

ユニバーサルプロトコルの時代

これはインターオペラビリティにより完成すると考えられます。インターネット2・WEB3.0、そして暗号資産エコシステムの真意は、ナショナリズムvsグローバリズムを超えて、多様なナショナリズムやイデオロギーを内包するユニバーサルプロトコルの時代の到来を予感させます。