令和3年第3回区議会定例会が行われ、千代田区議会自由民主党であるうがい友義議員(@ChiyodaU)が、ポストコロナ社会に向けた未来のデジタル社会の可能性、千代田のブランディングについて、下記の通り一般質問をしました。 

発言事項:『未来のデジタル社会の可能性を千代田のブランディングに』

発言要旨:”ブロックチェーン分散型 ID・世界から仮想住民を募集し、自由な分散型アプリケーショ ンの実験場として、区内の先進的な事業者や秋葉原に集まる豊富なコンテンツ(アニメ、 ゲーム、e スポーツ)をつないで、エストニアを超える他では類を見ない「日本のメタヴァ ースをリードする秋葉原」など、インパクトのある地域ブランディングに出来ないか。また将来像ブランディングのための戦略チームを立ち上げては。”

令和3年第3回定例会 一般質問
🔽
https://gikai-chiyoda-tokyo.jp/shingi/pdf/tsukoku/03_3b.pdf

発言内容のまとめ

下記に今回の主な発言内容をインターネット中継から一部を抜粋し引用してご紹介します。

まず、うがい議員は冒頭で政府が推進する「Society 5.0」、デジタル行政の取り組みを紹介しつつ、新たの産業であるメタヴァースについて説明し、次のような市場が誕生している現状について説明しています。

  • DeFi(ディー・ファイ:分散型金融)、
  • デジタルコンテンツやあらゆる所有権を管理するNFT(エヌ・エフ・ティー)、
  • 高度なプライヴァシ ーを提供する分散型IDソリューション、
  • 高度なガバナンスを提供するDAO(ダオ:自律した分散型組織)、
  • AIを実現するビッグデータのセキュア で高度な管理と活用、
  • オープンワールドと呼ばれるゲーム産業、eスポーツ

そして、ソサエティ5.0とメタヴァースのインフラの土台となるものがブロックチェーン技術であるとし、 ブロックチェーン技術は次のようなものをもたらすと説明しました。

  • 高度なプライヴァシーによる分散型IDソリューション
  • 絶対に改竄されない検証システムとガバナンス
  • 高度な安全性とセキュリティ
  • 仲介者を無くすことによるコスト削減 ▶︎暗号資産による新しい信用経済、トークンエコノミー
  • スマートコントラクトと分散型アプリケーション
  • AIのための高度なビッグデータの管理と活用

続けてうがい議員は、メタヴァースは間違いなく、新しい経済と産業を生み出すことになるとした上で、超優良企業がひしめく、コンテンツ文化の集積地秋葉原を擁する千代田区で、それらの企業とコンテンツを活用した『メタヴァース秋葉原』を誕生させ、そこでは全く新しい次世代の産業を生み出す可能性、NASDAQ(ナスダック)のような株式市場としてCHIYODAQ(チヨダック)などという金融市場を生み出す可能性あるのではないかをと述べています。

そしてうがい議員は千代田区ができる取り組みとして、次のように提案しています。


そのための先進的なスマートシティの土台となる街づくり、行政サービスのデジタル化を進める特区として”メタヴァース秋葉原”提案したいと思います。

そこでは、メタヴァースの仮想住民となるために必要な分散型アイデンティティ・ソリューションを導入し、仮想住民になることを何らかの特典を提供することで世界中の人々を呼び込みます。 これを土台に、先程の新しいサービスである、スマートコントラクト、DApps(ダップス:分散型アプリ)、DID(ディー・アイ・ディー:分散 型アイデンティティソリューション)、DeFi(ディー・ファイ:分散型金融)、NFT(エヌ・エフ・ティ:デジタルコンテンツの所有権を保証す る技術)、DAO(ダオ:分散型組織)などの新しい分散型サービスやそれを開発し提供するベンチャー企業を秋葉原のメタヴァースに呼びこみます。 

そして、そのための規制やバックアップ体制を、国や都と連携し千代田区が提供することで、全く新しい経済圏、世界をリードする”アジアのクリプトヴァレー”である”メタヴァース秋葉原”を誕生させることが可能になります。

もちろんそこに行政サービスのデジタル化を進めることで、より先進的なスマートシティの構築も可能になるでしょう。 また、エストニアの電子政府やスイスのクリプトヴァレーと呼ばれるツーク市などの都市と連携を持ちながら、千代田区をグローバル金融都市となるべき東京のコアとして、そして新しい日本の成長戦略の柱の一つとして、千代田区をブランデイングできると思います。

そこでまず本区は、メタヴァース戦略特区としての”秋葉原”構築のためのコンソーシアムを立ち上げる支援体制を整えていってはいかがでしょうか?

インターネット中継での発言内容から一部抜粋

このように、うがい議員はポストコロナ社会の将来を見据えた産業を育成するためにも、先進企業を巻き込んでそれらを検討するコンソーシアムを支援し、デジタル技術を活用したメタヴァース秋葉原などの地域ブランディングを行っていく価値があると考えており、とても素晴らしく明確なビジョンを打ち出しました。

*後ほどインターネット中継された映像がアーカイブにアップされます。

🔽

http://www.kensakusystem.jp/chiyoda-vod/index.html

今後の展開

いかがだったでしょうか?このように今回のうがい議員の提案は、非常に野心的なものでブロックチェーン関係者をはじめ、デジタル行政や金融包摂の未来にとって大きなインパクトをもたらすものではないでしょうか?

議事録検索で見てみると、千代田区議会で暗号資産、ブロックチェーン、スマートコントラクト、分散型アプリ、分散型ID、 DeFi、NFT、メタヴァース、クリプトヴァレーに関するキーワードを含んだ一般質問は見つからず、私が見た限りこれが初めてのことです。

日本を代表する大企業の本社が数多く置かれる千代田区議会での今回の質問は、今後の日本のブロックチェーンおよび分散型台帳システムの展開にも大きなインパクトをもたらす可能性があると期待しています。

*今回、うがい議員がコミュニティ活動の一環としてSITION(千代田区)に訪れ、ブロックチェーン、メタヴァース、DeFi等についての意見交換を行い、リサーチおよび情報提供等に協力させていただいた経緯から、このような一般質問が実現いたしました。

今後もこうした取り組みに参加させていただき、ブロックチェーン関係者をはじめ、多くの皆様とブロックチェーンの可能性と未来を日本にもたらす活動を行っていきたいと思いますので、皆様の熱い支援のほど何卒よろしくお願いいたします。

なお、この取り組みの今後の展開について動きがあり次第またご報告させていただきます。

また、皆様からのご意見、ご質問などありましたらぜひこちらのツィッターアカウント(@SITIONjp)、もしくはお問い合わせフォームからご連絡ください。お待ちしております。